Voice働く人の声


中川 昌聡さん

縁もゆかりもない鹿児島で見つけた
「新しい農業」に
本気で取り組む

Iターン
[神奈川 → 東京 → 鹿児島]
訪日外国人観光客を相手にする都内の旅行会社に約5年勤務した後、さかうえに入社。横浜から縁もゆかりもない鹿児島で未経験の農業に転職した当初は、方言を理解するのも大変だったそう。「新しい言語に出会った感覚で戸惑いました」と当時を思い出し笑顔で話す中川さん。「農業を通して地方の良さを国内外の人に知ってほしいし、自分が地方に根づくことで地域を元気にしたい」という思いのもと、充実した日々を積み重ねている。

現在の職務内容は?

生産した野菜・肉の販路拡大に向けた営業活動、既存客への対応、予算・業績・進行・出荷管理、牛肉の加工など幅広く担当しています。生産量・取扱量の増加、組織改革のタイミングで去年の7月に営業部が発足し、部長に抜擢されました。責任は重いものの、裁量権のある仕事を任され日々やりがいを感じています。組織化する前は社長から直接アドバイスをいただきながら、自社生産した野菜をスーパーなどに販売、お客様とのやりとりを一人でこなしていました。その中で販売・営業の大切さを学びましたね。経験やノウハウを営業部でも存分に発揮していきたいです。

今の仕事を選んだ理由は?

祖父が農家だったので、漠然と農業には憧れがありました。農業関係者とダイレクトに話せる就農相談会に参加した際、さかうえに出会いました。経営理念に共感し、若手社員でも責任のある仕事ができるところに惹かれましたね。前職はインバウンド向けの旅行会社に勤務。地方の魅力をもっと世界に知ってほしい思いはあるのに、自分は東京に住んでいるジレンマに悩んでいました。農業に携わりたい、地域に根差して地方を盛り上げたい。2つの思いが相まって、さかうえへの転職を決意しました。

仕事のやりがいは?(うれしかったことは)

農業体験以来、農作業をしていない自分に歯がゆさを感じることがありました。しかし、農作業の現場に携わらないからこそ常にお客様目線でいられるし、フラットな気持ちでいられることに気づいたのです。もし現場で農作業をしていたら思い入れも強くなるだろうし、考えも偏りがちになるかもしれません。大切なのは自分が作りたいものではなく、お客様から求められているものを作ること。だから、生産から販売までをイメージできる営業の仕事にやりがいを感じています。お客様からいただくアドバイスを生かしながら、より良いものを提供する。「ありがとう」と言われる仕事を今後もしていきたいですね。

職場の雰囲気は?

活気のある職場だと思います。当社は契約栽培事業・牧草飼料事業に加え、牛の飼育から精肉販売まで一貫して行う肉牛事業も開始し、枠にとらわれない農業ビジネスを展開しています。組織改革により一人ひとりの役割が明確になりました。それぞれが目標を持ちながら、前向きに農業に取り組んでいます。また、年齢層は20〜40代が中心と若く、男女比も半分ずつでUIターンも多いため、さまざまな考え方や価値観を受け入れる土壌があります。お互いに切磋琢磨しながら成長できる職場です。

今チャレンジしていることは?

「農業で幸せをつくる会社」をコンセプトに、農業を通して社会と地球環境の最適化を目指しています。例えば2019年10月から開始した畜産業は、循環型農業を確立すべく日々奮闘中。また、農業に関わる人を増やすことにもチャレンジしています。ゼロをイチにするのは難しいし、そこで諦めてしまう人が多い。せっかくの貴重な人材が育たない、農業を続けられないのは本当にもったいないですよね。独立後の支援はもちろん、組織のつながりを活用した経営を模索し、続けられる農業・稼げる農業を実現していきたいです。

入社までの流れを教えてください。

Iターン前は訪日外国人客をターゲットにした都内の旅行会社に勤務。「東京では地方の良さを十分に伝えることはできない。海外の人に知ってもらうには自身が地方に根づき、地域を元気にする仕事を」と農業への道を志しました。就農相談会でさかうえに出会い、理念や農業への思いに共感。ただ、移住を伴う転職になるので妻にも相談したうえで決めました。試験は志布志であったのですが、鹿児島に行くのも志布志に行くのも初めて。でも農業体験も楽しめたし、筆記試験・面接も気負うことなくできました。志布志の雰囲気が自分に合っていたからかもしれませんね。ちょうど組織拡大のタイミングでもあり、とんとん拍子に入社が決まりました。

この会社の強みやいいところは?

自分たちで作る・育てる・販売する・出荷するを一貫して行えることです。そのため、お客様が作ってほしい農作物を高品質で提供できるノウハウや経験が蓄積されています。例えばピーマン。秋から夏にかけて収穫する促成栽培と、真夏に収穫する夏秋栽培を組み合わせることで年間を通して生産できる体制になりました。要望を生産者にダイレクトに伝えられるし、最適なカタチでお客様に提供できる双方向のコミュニケーションが確立しています。

鹿児島の良いところを一言でいうと?

住みやすいところです。まず、野菜や果物、海産物、肉なんでもおいしい。地域のスーパーマーケットに並ぶ商品はどれも産地直送で新鮮なものばかり。品揃えだけでなく、クオリティも高く、都内に比べるとかなり安くで買えます。また、家賃は1/3程度になりました。生活のコストは下がったにもかかわらず、満足度は格段に上がりましたね。さらに、休日のドライブで小旅行気分も味わえるのも魅力。近所には当たり前のように温泉や広い公園があり、平日も休日も住みやすさを実感しています。

仕事をするうえで、県外と鹿児島ではどう違った?

Iターン前は、通勤に往復2時間もかかっていました。ただ通勤するための時間だから他に何かできるわけでもないし、さらに満員電車で朝から疲れることもしばしば。また、どこに行っても人が多く、気分転換で外出したはずなのに、余計に疲れてしまうこともありました。鹿児島は人口密度にも余裕があり、時間にも心にもゆとりがあります。移動や時間のストレスがなくなり、住む環境が変われば人生はより豊かになるんだな、と体感しました。ムダのない環境に身を置くと仕事にも集中できるし、メリハリのある生活を送れます。

先輩として、UIJターンを希望している人へメッセージを

自分のやりたいこと、できることは都会にしかないと思い込んでいませんか。やりたいことが都会にあるとは限りませんよ。ひとつの事柄に惑わされず、自分自身としっかり向き合い視野を広げてみましょう。地方に仕事があるのか不安になる人もいますが、仕事はもちろんあるし、楽しく働いている人も大勢います。仕事は人生の大半を占めるもの。広い視野を持って、思い込みで選択肢を狭めないようにしてください。また家族とともに移住するなら、それぞれが協力し合うのはもちろん、地域のコミュニティに積極的に参加するのがおすすめです。

ある1日のスケジュール

06:00

起床

07:00

出社、朝礼

08:00

メール対応、仕事段取り確認

10:00

商談

12:00

昼食

13:00

事務作業

15:00

社内ミーティング

17:00

翌日段取り、事務作業

19:00

帰宅

19:30

育児、家事の一部